OJTのメリットデメリット | Essential Education Center

OJTのメリットデメリット

企業における人材育成の手法として「OJT」というものがあります。言葉を聞いたことはあるが、イマイチよくわからないという方へ向けて、今回は「OJT」とは何か、メリット・デメリットや現場導入時のポイントまで徹底的に解説します。

OJTとは?意味と成り立ち

OJT制度とは、「On-The-Job Training(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)」の略で、実際の業務に携わりながら仕事のやり方を学んでいく教育訓練の方法のことを言います。

第一次世界大戦の際にアメリカの軍隊が取り入れた「4段階職業指導法(「やってみせる(Show)」、「説明する(Tell)」、「やらせてみる(Do)」、「確認・追加指導(Check)」の4段階からなる指導法)」がOJTの前身といわれています。

この指導方法は、高度経済成長期になって日本にも伝わり、1980年頃には、日本の企業でも本格的に社員教育のためにOJTが取り入れられるようになりました。日本におけるOJTではPDCAサイクル(「Plan(計画)」、「Do(実行)」、「Check(評価)」、「Act(改善)」)が重視されており、時代の変化に合わせて少しずつ改良が進められてきました。

OJTは、時代の流れと共に変容を繰り返しながら進化し、今日では多くの企業において実践的で効果的な研修手法の一つとして活用されています。

OJTとOFF-JTの違い

OJTとよく比較されるものとして、OFF-JTがあります。OFFJTとは、「Off-The-Job Training(オフ・ザ・ジョブ・トレーニング)」の略称で、実務の場を離れて行う研修のことです。

OJTは通常業務の一環として行われるのに対して、OFFJTは研修のために特別な時間を割くという点が大きな違いです。

OJTのメリット

OJTを取り入れた場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、OJTのメリットについていくつか解説をします。

人間関係の構築

OJTでは、実際に現場で働いている社員(先輩社員)が、これから共に働く社員(後輩社員)の面倒を見ます。OJTを通して、先輩社員と後輩社員間で「質問」や「確認」といったやり取りが頻繁に行われるようになります。また、指導内容について、先輩社員が上司に相談する機会も増えるでしょう。そのため、OJTを行うことにより、チーム内のコミュニケーションが活性化します。それにより、「人間関係の構築」や「チームメンバー同士の相互協力」が一つのメリットと言えます。

(目に見える)コストの削減

OJTは、通常の業務時間内に現場で行う実践的な研修です。そのため、社員の残業代や会議室代といったコストが基本的には発生しません。また、上司や先輩社員がトレーナーとなるため、外部講師を頼んだり、研修を外注したりするコストも不要です。

しかし、あえて表題に “(目に見える)” と入れたことにも意味があります。上記の通り、コストの削減にはなるのですが、上司や先輩社員の時間がOJTに割かれるため、目に見えないコストが発生しているという点も押さえておきたい所です。

実務へのコミット

技術革新や価値観の多様化といった企業を取り巻く環境が急速に変化している現代では、自社の業務内容を理解した上で即座に対応できる人材の育成が企業には求められています。OJTでは実務を通じて人材を育成するため、研修内容と実際の仕事とのズレが少ないという特徴があります。

また、指導を受ける社員は実際の業務に触れながら必要なことを学べるため、実践的な知識やノウハウを身につけやすくなります。OJT終了後は即戦力としての活躍が期待できます。

OJTのデメリット

現場の負担増

前述の通り、OJTは上司や先輩社員がトレーナーとなるため、現場において教育コストがかかります。指導のための資料を用意したり、指導に時間を割かなければなりません。そのため、教える側の時間的・精神的負荷が大きくなりやすく、実務が滞ってしまうことが懸念されます。OJTと実務を両立させるために、企業には教える側をサポートすることも求められます。特にOJTトレーナーやOJTリーダーを設ける場合、指導にかかる負担が集中しやすくなる点も注意が必要です。

局所的、短期的な教育になってしまい体系的な育成が難しい

OFF-JTとは異なり、実務を一つひとつこなしながらの研修となるため、体系的な育成が難しい傾向があります。当たり前の話ですが、そもそも実務は、教育(OJT)のために構成されているわけではありません。その結果、目の前の短期的な業務はこなせても、中長期的な広い視野で業務を進めていくための知識や能力を習得できていない可能性があります。

教育者としてのスキルやマインドが不十分

ここが最も重要ポイントになります。トレナーとなる上司や先輩社員が教育者としてのトレーニングを十分に受けていない場合がほとんどです。こちらも当たり前の話なのですが、上司や先輩社員は、自社業務・業界の専門家であり、教育分野の専門家ではありません。

「名選手、名監督にあらず」の格言の通りです。

そのため、OJTの質や成果は、上司や先輩社員の個々の資質に依存してしまう傾向があります。

まとめ

OJTは、確かに効果的な教育手法の一つです。しかし、メリットだけを安易に捉えて、トレーナーの教育を行わなかったり、トレーナーとしての見識や能力がない先輩社員に丸投げしてしまうケースも多く見られます。その場合、非効率な教育に陥ってしまう可能性や、ただただ現場に負担が増えるといった結果にもなりかねません。また最悪の場合、新入社員の離職やトレーナーを務めていた上司や先輩社員の心身の不調・離職などもなんてことも十分にあり得ます。

OJTの導入では、トレーナーの育成、質の担保、仕組みの構築が不可欠です。OFF-JTとの組み合わせも含めて、専門家のサポートを上手く活用してみてはいかがでしょうか?

EECでは、『オーダーメイドで人と組織の可能性を拡げる』をコンセプトに、御社に合ったご提案が可能です。ぜひ一度、お気軽にお問合せください。

この記事を書いた人

田中 翔紘(Shoko,TANAKA)
有限会社エッセンシャルエデュケーションセンター代表取締役。
幼少期からアルペンスキーの選手として活躍。高校卒業後、単身アメリカColorado Mountain Collegeへ留学。スキー選手として世界を転戦しながら、野外教育を学ぶ。スキー選手を引退後、弊社代表取締役に就任。1986年兵庫県出身。

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