「マネジメント」の歴史や役割、大切なスキルについてお伝えします。
目次
「マネジメント」の歴史
「マネジメント」の概念は様々あるようです、アメリカの経営学者、ピーター・ファーディナンド・ドラッカー(P.H.ドラッカー)が、1973年に刊行した著書『マネジメント』の中で提唱した言葉だとされています。
ドラッカーは起業コンサルタントや経済学者として活躍し、経営や経済に関する著作を多く発表しています。2009年に刊行された『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの”マネジメント”を読んだら』でご存知の方も多いのではないでしょうか。
「マネジメント」と「マネージャー」
ドラッカーは、「マネジメント」と「マネージャー」について、以下のように定義しています。
マネジメント
組織に成果を上げさせるための手段・機能
マネージャー
組織の成果に責任を持つ人物
マネージャーは “成果の責任者” として、的確な “マネジメント力” が求められるといえます。
「マネージャー」の役割
“マネジメント力” 、すなわち「マネージャー」に求められる役割とは何でしょうか?
組織の持続的な発展に欠かせない「マネージャー」の役割について確認していきたいと思います。
組織作りとミッション達成
目標を設定して組織を作り、ミッション達成に向けて業務を遂行する
部下の統率・育成
部下とコミュニケーションをはかり、目標達成のための育成と動機づけを行う
成果の評価とフィードバッグ
成果や実行に対する評価や適切なフィードバックを行う(フィードバックについてはこちら)
上記が、一般的に求められる「マネージャー」の役割 です。
「マネージャー」と「リーダー」の違い
では、「マネージャー」と「リーダー」の違いは何なのでしょうか?
よく同じ意味と捉えられることもありますが、実際は異なるため、詳しくみていきましょう。
「リーダー」とは、チームの将来のあるべき姿を明確に描き、その将来像を実現させるために、チーム全体を導く役割と言えます。
例えば、「どんな組織を作るかについて方針を出す」のがリーダーで、「その組織を実現するための具体的な内容を考案し、実施へと導く」のがマネージャーということになります。
「マネジメント」に大切な4つのスキル
前述した通り、マネジメントは目的ではなく組織の成果を上げるための “手段” です。ドラッカーはマネジメントについて、「マネジメントとは仕事である。したがって一定のスキルを必要とする」と説いています。
そのマネジメントに必要なスキルとして、次の4つを提示しています。
『意思決定』のスキル
マネージャーは、重要な局面で判断を迫られることが多くあります。その際、全員の賛同を得られることはめったにありません。多くの異論や対立がある中で、客観的な材料だけでなく、自分の軸も持ちながら意思決定をしなければならなりません。組織のビジョンと矛盾したり、方針に対してブレがあったりすれば、メンバーからの信頼度が著しく低下してしまいます。意思決定は「マネージャー」にとって非常に重要なスキルであると同時に、影響も大きなスキルです。
(グループの『意思決定』につてい学ぶには、こちらの実習がオススメ!)
『コミュニケーション』のスキル
同じ目標に向かって仕事を進めるには、チーム内の認識を一つにする必要があります。マネージャーは自分の考えを部下に理解してもらわなければなりません。そのためには、組織内の認識をすり合わせ、意思疎通をはかる必要があります。ただ話を伝えるだけでは、部下の納得感を醸成することはできません。相手の意見を傾聴し、相手の考えを理解しながら情報を伝えるといったように、お双方向のコミュニケーションが重要です。
(『コミュニケーション』につてい学ぶには、こちらの実習がオススメ!)
『管理』のスキル
組織を率いて成果を出していくためには、管理のスキルも必要です。「目標達成に向けて、組織を適切に機能させることができているか」「適切な組織構成や業務振り分けができているか」、「仕事に対する基準を高めながら、組織全体の業務の質が上がっているか」、これらの観点で組織を見ることが求められます。正しい管理に向けて、効果測定だけでなく、部下にフィードバックを適宜実施し、強みを発揮できる環境を整えることが重要です。
『分析』のスキル
組織の課題解決や目標達成は、経験や勘だけで実現することはできません。データを分析し客観的な視点から検証を行わなければ、的外れな施策ばかりを生み、組織を誤った方向に導いてしまうことになります。また、PDCAを回すのはもちろんのこと、データを短期で見るのか長期で見るのか、分析するうえでのスパンも重要な分析の視点になります。ヒト・モノ・カネ・情報、これまで蓄積されてきた知恵や知識、技術など、複合的に分析するスキルが求められます。
人と組織の可能性を拡げる
「マネジメント」は、先行きが不透明で将来の予測が困難といわれるVUCA時代の今だからこそ、非常に重要な機能です。組織は「マネジメント」次第で、良くも悪くもなります。人の本質を理解し、そこに向き合い、人と組織の可能性を拡げることこそが、マネージャーとしての醍醐味かもしれません。EECでは、非日常の体験を通し、マネージャーとしてマインドを醸成する研修も数多く実施しています。マネージャー育成やマネジメントについての学びを深めたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
この記事を書いた人

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有限会社エッセンシャルエデュケーションセンター代表取締役。
幼少期からアルペンスキーの選手として活躍。高校卒業後、単身アメリカColorado Mountain Collegeへ留学。スキー選手として世界を転戦しながら、野外教育を学ぶ。スキー選手を引退後、弊社代表取締役に就任。1986年兵庫県出身。
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