Society 5.0 とインターンシップ | Essential Education Center

Society 5.0 とインターンシップ

先日、インターンシップがニュースになりました。経団連(一般社団法人日本経済団体連合会)と大学が協議し、新たな報告書が出されたというニュースです。

NHKのウェブニュースから、記事を抜粋すると…

学生の採用の在り方を議論する経団連と大学側で作る協議会は、定義があいまいだと指摘されている「インターンシップ」について、一定期間、学生が職場で実際に仕事を体験したものにかぎり、学生の評価などを企業の採用活動にも活用できるようにすべきだとする報告書をまとめました。

経団連の幹部と全国の大学のトップが学生の採用活動などの在り方を話し合う協議会は、18日会合を開き、定義があいまいだと指摘されているインターンシップなどについての報告書を新たにまとめました。

それによりますと、インターンシップについて3年、4年の学部生や大学院生が参加し、短期のものは「5日間以上」、長期のものは「2週間以上」などと定義したうえで、社員の指導のもと、職場などで実務を体験するものにかぎり学生の評価などを企業の採用活動にも活用できるようにすべきだとしています。

一方で、1日かぎりのイベントなどはインターンシップではなく「オープン・カンパニー」と呼ぶほか、大学の授業や企業の社会貢献活動で行う就業体験などは「キャリア教育」と位置づけることで合意しました。

経団連などは来年度からこの報告書に基づいた取り組みを行うため、政府の理解も得たいとしています。

就職活動、採用という文脈ではなく、教育・人材育成の視点で “インターンシップ” を考えたいと思います。

改めて、インターンシップとは?

今回の報告書では、インターンシップは、3年、4年の学部生や大学院生が参加し、短期のものは「5日間以上」、長期のものは「2週間以上」と定義しようとしています。また、受け入れ先の企業によって、様々な形で行われてきたインターンシップ(と呼ばれる活動)を整理しようという試みもなされています。これまでの広義のインターンシップを、キャリア形成支援と位置づけています。

キャリア形成支援に係る4類型(インターンシップは、3,4が該当)

  1. オープン・カンパニー
  2. キャリア教育
  3. 汎用的能力・専門活用型インターンシップ
  4. 高度専門型インターンシップ

それぞれについて、報告書から引用してみます。

オープン・カンパニー

「個社・業界の情報提供・PR」を目的としたキャリア形成支援プログラムであり、主に、企業・就職情報会社や大学キャリアセンターが主催するイベント・説明会を想定している。情報提供が目的であり、基本的に就業体験を伴わないことから、大人数の学生を対象に、超短期(単日)で実施する。実施にあたり、学業との両立に十分に配慮する必要があり、平日の夕方・夜間や週末、長期休暇期間中に実施することや、オンデマンドによる動画配信などオンラインを活用するなどの工夫が不可欠である。そのような工夫を前提に、学士・修士・博士課程の全期間(年次不問)で設定することで、学生が自らの判断で、大学入学後から自らのキャリアを主体的に考えるきっかけや検討材料を提供できる。

本プログラムの目的は、学生が自らのキャリアを考えるための「個社・業界の情報提供・PR」であり、採用に関する情報提供や採用エントリーを促す活動ではない。従って、企業は本プログラムで取得した学生情報を採用活動に活用することは認められない。

キャリア教育

大学が単独あるいは企業と協働して、正課(授業)あるいは正課外 (産学協働プログラム等)として行う場合や、企業が CSR の一環として行う場合を想定している。キャリア教育が目的であり、学士・修士・博士課程の全期間 (年次不問)で設定可能である。但し、企業が主催する場合は、学業との両立への配慮が必要であり、長期休暇期間中や平日の夕方・夜間、週末に実施することや、オンデマンドによる動画配信などオンラインを活用するなどの工夫が不可欠である。就業体験を行うか否かは任意である。

本プログラムの目的はあくまで「教育」であり、学生・企業ともに、本プログラムで就職・採用を決めるものではなく、企業は、本プログラムで取得した学生情報を採用活動に活用することは認められない。

汎用的能力・専門活用型インターンシップ

しっかりとした就業体験を行うことを通じて、学生にとっては自らの能力を見極めること、企業にとっては採用選考を視野に入れた評価材料を取得することを目的として行う、 キャリア形成支援プログラムである。企業が単独で行う場合に加えて、大学が個 別企業と協働、あるいは地域コンソーシアムを活用して行う場合も想定している。学生の適性や汎用的能力を重視するインターンシップ(5日間以上の汎用的能力活用型)と、専門性を重視するインターンシップ(2週間以上の専門活用型)の2種類を想定している。

高度専門型インターンシップ

しっかりとした就業体験を行うことを通じて、学生にとっては自らの専門性に関する実践力の向上を図ること、企業にとっては採用にあたっての評価材料を取得することを目的として行う、キャリア形成支援プログラムである。

現在、このタイプに該当するプログラムとしては、〔A〕ジョブ型研究インターンシップ(理系・博士対象)、〔B〕高度な専門性を重視した修士課程学生向けインターンシップ(主に文系対象)(仮称)」の2種類を想定している。

キャリア教育としてのインターンシップ

今回の報告書では、受け入れ先の企業によって、様々な形で行われてきたインターンシップ(と呼ばれる活動)を整理した件については、前述しました。

キャリア形成支援の類型2「キャリア教育」について、もう少し考えてみます。ここは、就職を考えている学生さんだけでなく、小学校〜高校の先生にも知っておいて欲しい情報です。

この報告書は、冒頭「サステイナブルな社会実現に向けた産学連携の重要性の再認識」というメッセージから始まります。そこで、Society5.0 という言葉が登場します。

Society5.0

「Society 5.0」とは、政府機関のウェブから引用すると…

サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)のこと。狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指すもので、第5期科学技術基本計画において我が国が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱された。

これまでの情報社会(Society 4.0)では知識や情報が共有されず、分野横断的な連携が不十分であるという問題がありました。人が行う能力に限界があるため、あふれる情報から必要な情報を見つけて分析する作業が負担であったり、年齢や障害などによる労働や行動範囲に制約がありました。また、少子高齢化や地方の過疎化などの課題に対して様々な制約があり、十分に対応することが困難でした。

Society 5.0で実現する社会は、IoT(Internet of Things)で全ての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出すことで、これらの課題や困難を克服します。また、人工知能(AI)により、必要な情報が必要な時に提供されるようになり、ロボットや自動走行車などの技術で、少子高齢化、地方の過疎化、貧富の格差などの課題が克服されます。社会の変革(イノベーション)を通じて、これまでの閉塞感を打破し、希望の持てる社会、世代を超えて互いに尊重し合あえる社会、一人一人が快適で活躍できる社会となります。

Society 5.0 で求められる人材の資質・能力

具体的には、リテラシー、論理的思考力、規範的判断力、課題発見・解決力、未来社会の構想・設計力を資質、能力として掲げています。また、それらの修得のためには、リベラルアーツが基盤になるとも謳われています。

※リベラルアーツ:元来、人間を良い意味で束縛から解放するための知識や、生きるための力を身につけるための手法を指します。 古代ギリシアで生まれたこの概念は、やがて古代ローマに受け継がれ、言語系3学(文法・論理・修辞)と数学系4学(算術・幾何・天文・音楽)で構成される自由7科(セブンリベラルアーツ)に定義されました。

初等中等教育とSociety 5.0

インターンシップ=大学、大学院の就職活動の一環という理解が浸透していることもあり、初等中等教育でのキャリア教育ということがなかなかイメージできないというのが現実でしょう。

これから求められるのはSociety 5.0実現のための総合的な教育です。そのため初等中等教育では、リーダーシップ、失敗を恐れず果敢に挑戦する姿勢、自己肯定感、忍耐力、他者と協働する力、新しいことを学び続ける力、変化を楽しむ力などの資質を育むためのキャリア教育が求められます。

EECは、その一つとして「セルフデザイン」という新たな枠組み、考え方、理念を提唱しています。セルフデザインのページも御覧ください ⇒ https://self-dsgn.e-ec.co.jp


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    この記事を書いた人

    鈴木 浩之(Hiroyuki,SUZUKI)
    有限会社エッセンシャルエデュケーションセンター Sales&Promotion担当マネージャー。
    大学卒業後、世界的冒険教育機関であるOBSの指導者コースJALT受講、その後、OBSインストラクターへ。OEC、国立青少年教育振興機構、市議会議員等を経て現在に至る。1971年静岡県出身。

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