考える力と時間

 日常生活の中で、しっかりと “考える時間” を取れている人はどれくらいいるのでしょうか?

 何かを考えていても、気がつけばスマホを片手に、Instagram、Twitterやfacebookを眺めている人、ゲームをしている人は多いのではないでしょうか?また、パソコンで仕事をしていても、ついつい関係ないサイトをネットサーフィンしてしまっている人も多いのでは?

 電車の中を見回しても、8割以上の人がスマホの画面を見ているような気がします。 インターネットとスマホの登場で、便利なサービスが次々と生み出され、便利で楽しい社会になっていることは素晴らしいことだと思います。 しかし同時に、自分自身の頭で物事を考える時間が減っているのではないでしょうか?

■ 便利なサービスが生み出す時間の使い道

 便利なサービスとは、言い換えると余計なことを考える時間を減らしてしていくシステムです。 例えば、どこか知らない場所に行く時には、昔であれば地図を広げて目的地までの道のりについて様々なことを想像したり、予測したりしながら、自分自身の頭でルートを考えていました。

 しかし、今の時代であれば、スマホのGoogleマップに目的地を入れたら、一瞬でルートを示してくれます。 目的地までの道のりを調べることにかかる時間は、昔とは比べ物にならないほど減っています。

 では、便利なサービスによって生み出された時間で、皆さんは何をしているでしょうか?理想をいうと、便利なサービスにより生まれた時間で、より生産的な物事を生み出すということにその時間を使うことだと思います。しかし現実は、生み出された時間をSNSやゲームで浪費している人が多いのではないでしょうか?

■ 考える力の二極化

 現代の便利なサービスを生み出している人は、自分自身の頭を使いながら物事を考え、考える力を進化させています。逆にその生み出されたサービスに依存して考えることをやめた人は、考える力がどんどん退化していきます。正に “考える力の二極化” です。全ての人が便利なサービスを生み出す側に回る必要は無いと思いますが、考える力は人生を豊かにしていくために必要な力だと思います。

■ 考える力と時間を確保する

 近年多くの企業が、マインドフルネスやヨガを取り入れています。外的な雑音を遮断してゆっくりと思考したり自分の声に耳を傾けることも、今の時代ならではなのかもしれません。

 EECでは、非日常の体験活動とふりかえりを使って、考える機会(素材と時間)を提供しています。登山やロッククライミング、沢登りなど、非日常の体験活動は、その時の状況や環境を自らの頭を使って考えながら行動しなければ前に進むことや解決することはできません。またその活動をふりかえり、自分自身やグループがより良くなっていく方法を考えていきます。便利なサービスではなく、不便な状況の中で考える力を育んでいくのです。矛盾しているようですが、便利を生み出すために不便から学ぶことは大きいと思います。

 ゆっくりと物事を考える時間が個人や組織にどのような影響を与えるかを体感し、日常中で少しでも考える時間が持てれば、より豊かな人生や組織になっていくのではないでしょうか。

この記事を書いた人

田中 翔紘(Shoko,TANAKA)
有限会社エッセンシャルエデュケーションセンター代表取締役。
幼少期からアルペンスキーの選手として活躍。高校卒業後、単身アメリカColorado Mountain Collegeへ留学。スキー選手として世界を転戦しながら、野外教育を学ぶ。スキー選手を引退後、弊社代表取締役に就任。1986年兵庫県出身。

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