📻️ 部下との1on1ってどう進めたらいいの?
―「問いかけ」がポテンシャルを最大限に引き出す―
2025.08.08
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最近、マネージャーや管理職の方から「部下との面談をどう進めたら良いか悩んでいます・・・」「会議でメンバーが意見を言いづらそうで・・・」という、ご相談をいただくことが増えてきました。
職場の心理的安全性や社員のエンゲージメントの向上の為、上司と部下でリフレクションをしたり、チームメンバーで議論したりする機会は、これまで以上に重要視されてくるのではないでしょうか。
今回の記事ではそういった場を支える「問いかける力」にフォーカスを当ててみたいと思います。
「問いかける力」がなぜ重要なのか。
進行役:「さあ、この企画について何か意見はありませんか?どんどんアイデアを出してください!」
参加者:「・・・(と、言われましても)」
このような、なんとも言えない空気になってしまう会議を体験したことはありませんか?
大切な会議やせっかくの1on1の場が白けてしまっては、とてももったいないですよね。
安斎勇樹さんの著書「問いかけの作法」では、こういった場を魅力的な場に変えるために「問いかけの質」を変えることが重要であると述べています。
「問いかけ」は、停滞しがちな議論を動かし、参加者の思考を深め、潜在的なアイデアや多様な視点を引き出すことで、納得感のある合意形成へと向かう、最も強力な「鍵」となります。
質の高い問いかけは、会議を「なんとなく話す場」から「具体的な成果を生み出す場」へと変貌させ、メンバーひとりのポテンシャルを最大限に引き出すと考えています。
参考文献:「問いかけの作法」 安斎勇樹著

いざ実践!「問いかけ」の型
ここからは、「問いかけ」の型を具体的にご紹介します。
先ほど紹介した書籍「問いかけの作法」に加え、書籍『たった一つを変えるだけ』(著者:ダン・ロススタイン他)からもインスピレーションを得て、特に重要だと感じ、実践してきた手法です。
どれも明日からすぐに実践できる、シンプルながら強力な手札となるでしょう。
壱の型 「閉じた質問」と「開いた質問」
問いかけには、大きく分けて二つの基本的な型があります。これらを意図的に使い分けることで、メンバーの思考を刺激し、議論を深めるきっかけとなります。
- 閉じた質問:意見を「絞る」問い
「はい/いいえ」「A or B」「いつ」「誰が」など、特定の情報を確認したり、意見を収束させたり、意思決定を促したりしたい時に使います。
例: 「この方針で進めても良いでしょうか?」「担当はAさんとBさん、どちらが適切だと思いますか?」
- 開いた質問:意見を「広げる」問い
「なぜ」「どのように」「どんな」「何が」といった疑問詞を使い、メンバーそれぞれの思いや多様な意見を引き出したい時に有効です。
例: 「今回のプロジェクトの目標達成のために、どのような工夫が考えられますか?」「その経験から、何を感じ、何を学びましたか?」
この2つの問いに優劣はありません。
どちらの質問が適切かを見極め、場に投げかけることが重要です。
日頃の自分の問いの傾向を見つめ、「閉じた質問を開いた質問に変換してみる。」といったようなトレーニングをすると、問いかけの幅が広がります。
弐の型 「深掘りする問い」と「揺さぶる問い」
基本の型を意識して使い分けるだけでも、問いかけの幅は広がります。より問いかけの精度を上げていくために、さらに2つのパターンを使い分けることが効果的です。
- 「深堀りする問い」:本質的な課題や、もともとの目的を明確にする
メンバーの中にある「エッセンシャル(感情や価値観、信念)」を引き出したいときに投げかけます。
具体例:
「そもそも、このプロジェクトを始めようと思ったのはなぜですか?」
「いつ頃から◯◯にこだわりをもつようになったのですか?」
「なぜ、その商品に思い入れがあるのですか?」
ポイント:問われている方が「自分は今、責められている」と感じないような伝え方が大切です。
- 「揺さぶる問い」:新たな可能性や見方に気づく
思考の幅を広げ、自由な発想を促したいときや、議論が膠着状態になってしまったときに投げかけます。
具体例:
「この課題に対して、他にどんな可能性が考えられますか?」
「もし何の制約もないとしたら、皆さんはどんなアイデアを試してみたいですか?」
「売上No.1の◯◯(商品名)を除外して考えると、今の会社の状況はどう見えますか?」
ポイント:正解を求めず、量や多様性を重視します。どんな意見もまずは受け止め、否定しない姿勢が大切です。
参の型 「5W1H」
壱の型、弐の型で既に出ていきているように、5W1Hを使用することでさらに議論を深めたり、論点を整理したり、具体的な行動をイメージしたりすることが可能になります。
- What(何を): 課題、内容、事実を問う
例:「具体的に何が問題なのでしょうか?」「今回の議論で、何を決めたいですか?」
- How(どのように): 方法、手段、プロセスを問う
例:「そのアイデアをどのように実現しますか?」「次のステップはどのように進めますか?」
- When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が): 具体的な状況や担当を明確にする
例:「いつまでに、このタスクを完了させますか?」「この施策はどの部門の誰が旗を振るのが最適でしょうか?」
- Why(なぜ): 目的、理由、本質を問う
例:「なぜこの問題が起こっていると考えますか?」「そもそもなぜこの施策を始めたのですか?」
これら3つの型を組み合わせながら問いかけることで、さらに本質的な話題へと議論を進めたり、具体的な行動計画を決めたりと、効果的に場を促進することが可能です。
我々EECの文脈で言うと、EEモデルの「目に見える部分」と「目に見えない部分」を、上記のような問いかけによって行き来しているということです。

問いかけスキルを磨き、充実した対話の場を作りましょう!
マネージャーや管理職の方にに求められる力は多岐にわたりますが、「問いかけ」は、その中でも重要なスキルのひとつです。
今回の記事で紹介されていることを「無意識で使っている」という方は少なくないと思います。
しかし、重要なのは、「意識をして使い分けることができる」ということではないでしょうか。
質の高い問いかけは、会議の成果を最大化するだけでなく、メンバーひとりの思考を深め、主体性を引き出し、組織全体のパフォーマンス向上にも大きく貢献します。
もし、「問いかけ」の技術をさらに深めたい、マネジメント力を高めたい!というご希望がございましたら、ぜひ弊社の管理職研修、リーダー育成研修をご検討ください。
固定の型を押し付けるのではなく、お客様それぞれの個性を大切にし、実際の現場をより良くするサポートをさせていただきます!
ご連絡お待ちしております!👉️ https://e-ec.co.jp/contact/
投稿者プロフィール

- Sales&Promotion担当
大学卒業後、英語教師として自身の出身高校へ就職。その後、小学校へ異動し13年間小学校の教師を務める。勤務先の小学校でEECと出会い、一緒に子どもたちの成長に携わる。2025年5月よりEECへ。
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