心理的安全性という心理的不安…
2019.03.20
2016年、Googleのプロジェクトチーム(Project Aristotle)によって「心理的安全性こそがチームの生産性を高める成功因子である」というリサーチ結果発表がされ、「心理的安全性(サイコロジカルセーフティー)」は近年のバズワードになっています。
ハーバードビジネススクール教授のエドモンソンによれば、「心理的安全性」とは、“チームにおいて、他のメンバーが自分が発言することを恥じたり、拒絶したり、罰をあたえるようなことをしないという確信をもっている状態であり、チームは対人リスクをとるのに安全な場所であるとの信念がメンバー間で共有された状態” と定義されています。
チームの心理的安全性と成果
EECの体験型プログラムにおいても、チームでの活動(沢登り、イカダ、登山 etc…)は数多くあります。実際にプログラムを通して、チームの心理的安全性が高まっていき、それに比例してチームの結果も上がっていくということは、よく目にする所です。
『高さ4mの壁をチーム全員が乗り越える(ウォール)』という課題に対して、研修1日目は40分という制限時間で全く達成出来なかったチームが、研修3日目には10分以内に達成するということも珍しくありません。そのため、Googleのリーサーチ結果に対しても、非常に納得感を持つことができました。
心理的安全性の高め方
心理的安全性を高めるために、マネージャーの声かけや姿勢など、様々な方法があるようですが、EECがこれまで行なってきた研修を振り返ると、チームの心理的安全性が高まり、成果が出るようになる過程には、
・チームが本気の体験を共有すること
・その体験の中で感じたことや考えたことを共有すること
上記の2点が、必ず共通にあります。
チームメンバー全員が本気になることで、役職や立場を超えた関わりが生まれ、本気になったからこそ本音での関わりが生まれていきます。勿論、心理的安全性が高いからこそ全員が本気になれるという側面もあるとは思いますが、体験プログラム(特に野外での活動)は、様々なステージの人が本気に成らざるを得ない状況や本気になれる状況が数多くあるのです。(それこそが、EECが野外を使っている意味です。)
心理的安全性の落とし穴
近年バズワードとなっている「心理的安全性」ですが、言葉だけが先走ってしまうのは危険もあるように思います。表面的な「心理的安全性」の理解は、チームの馴れ合いや、妥協を生み出す危険性があります。
また、心理的安全性を高めなければならないという心理的不安(プレッシャー)が発生するという、何とも矛盾した状態が生まれている事例も耳にします。
やはり、人の感情や意識といった目に見えない “本質(エッセンシャル)” に携わる以上、勉強し続けなければいけませんね。
投稿者プロフィール
- 代表取締役
幼少期からアルペンスキーの選手として活躍。
高校卒業後、単身アメリカColorado Mountain Collegeへ留学。スキー選手として世界を転戦しながら、野外教育を学ぶ。スキー選手を引退後、弊社代表取締役に就任。
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