【学校教育支援】社会に通用するチカラ

2018.01.31

お知らせ

 先週は、岐阜県の鷲ヶ岳スキー場で、帝京大学可児小学校の “スキー研修” がありました。この “スキー研修” は、帝京大学可児小学校のオリジナル学習『ぼうけん』の一環で行われています。

 帝京大学可児小・中・高等学校では、12年間を4−4−4の3つに分け、それぞれを人間力育成のステージと捉え、Stage1(小1〜小4)の「基礎形成期」には、自分自身の言葉で語れる力、Stage2(小5〜中2)の「自己探索期」には、在りたい自分を考える力、Stage3(中3〜高3)の「自己実現期」には、自己実現を図る力の育成をめざしておられます。

 EECは、Stage1で、思考力・判断力・表現力の基礎となる五感を刺激する体験、試行錯誤を求められる体験を、Stage2では、主体性・協働性・責任が求められる体験、自己内観できる体験を提供しています。小学校では、この “スキー研修”  の他、日帰りの山遊び、川遊びといった身体遊び体験やグループワーク、また学校で秘密基地を作って泊まったり、宿泊研修で沢登りやロッククライミング、カヌーなどをしたり『ぼうけん』の中で様々な体験を提供しています。

小学校の取り組み  https://www.teikyo-kani-s.ed.jp/educate_contents/bouken/

中学校の取り組み  https://www.teikyo-kani.ed.jp/junior/education/program/

 今回は、Stage2の「自己探索期」にあたる小学5年生の “スキー研修” でした。この学年は、3年生の時から年に1回の “スキー研修” をしており、今回で3度目、『ぼうけん』での “スキー研修” はこれが最後、集大成です。“スキー研修” では、「子ども達自身が自分の成長を実感できる場の提供」「自分なりに工夫する、自分から動き試行錯誤するといった “努力意識” を育むこと」を目的として掲げています。

 EECは、スキーの技術指導はあまりせず、子ども達が自分なりに課題を見つけて練習したり、わからないことを自分から尋ねられるように、見守り、関わりすぎないといったスタンスで子ども達と接しました。それは一見「放っている」と見えるかもしれませんが、あくまで子ども達の力を信じ、主体的に動き出すきっかけを作っているに過ぎません。子ども達自身が、自分なりに工夫すること、自分から動くことで、「3年目にして初めてリフトに乗ることができた」「これまでみんなについていくのがやっとだったが、余裕を持って行動できた」「上級者コースを転ばずにクリアできた」など、自分自身の成長を実感することに繋がったと考えています。

 「これまでできなかったことができるようになる」ということは、子ども達にとって喜びであり、そのために「泥臭く努力する」「自分でなんとかする」ということは、人間の “本能” に近いものであるような気がします。しかし、先回りして手を出してしまう指導者や過保護・過干渉な大人に囲まれた子ども達には「状況を伝えれば、誰かがなんとかしてくれる…」「困った顔をしていれば、声をかけてくれる…」といった姿が散見されます。これでは、生きるチカラ(自ら考え行動する力、課題発見・課題解決力)や、社会に出てから通じるチカラ(一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力、疑問を持ち考え抜く力、多様な人々とともに目標に向けて協力する力)は育まれません。

 大学入試制度改革、アクティブラーニングの導入などを見ても、この成熟社会で求められているチカラは、これまでとはだいぶ違って来ています。そのチカラを育むためには、これまでの正解を導き出すコツを伝授する、お腹が空いた人間に魚を与えるような教育ではなく、魚の釣り方を教える(学び方を学ぶ=Learning How to learn)教育の中で、学習者自身が体験から気づき、学び、活かすことが必要になってきます。今回の “スキー研修” に限ったことではありませんが、『ぼうけん』に取り組む子ども達の姿、変化を目にする度にそれを実感します。EECは、これからも学習者自身が体験から気づき、学び、活かすことを支援していきます。

 

小学校・中学校8年間を通して、社会で通じる「力」グローバル社会で通じる「力」を育みます。
帝京大学可児小学校では、オリジナル学習「ぼうけん」の授業を通して、自分のこと・相手のことを考え本物の人間関係を築きます。また、仲間と共に自分の限界に挑戦する中で、本当の自分、ありたい自分と向き合い、これからの自分を具体的に考え、自己実現に向かう心を育てます。

帝京大学可児小学校ホームページより

投稿者プロフィール

鈴木浩之
鈴木浩之
Sales&Promotion担当マネージャー

大学卒業後、世界的冒険教育機関であるOBSの指導者コースJALT受講、その後、OBSインストラクターへ。
EECの前身であるOECに参画、国立青少年教育振興機構「中央青少年交流の家」、市議会議員を経て現在に至る。

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