【講演会】“子育て”という壮大な体験学習

 ’18.April.15 自己意識調査報告会&講演会

 約15年前より、EECが学校教育支援や青少年育成事業で、調査し続けている7項目49の質問から構成される “自己意識調査” を、今回は兵庫県姫路市に拠点を置く、生涯学習サポート兵庫(以下、SHOSAPOとさせていただきます)さんが主催された【チャレンジウォーク】の前後で実施していただきました。

 【チャレンジウォーク】のゴールから10日後、クロージングセミナーが開催されました。その中で、自己意識調査報告会が行われました。単にレポートを提供し、そこから見えてくることを説明するだけでなく、体験学習による学校教育支援、企業研修、人材育成などを行っているEECの現場、視点から、“子育て” について、メッセージを発信する機会(講演会)も設定していただきました。自己意識調査は、目には見えない個々の内面に起こった変化、自分自身をどう捉えているのか?捉えていたのか?捉えるようになったのか?を数値化、見える化する試みです。そして、見えてきたものを子育て、学級運営、社会教育の計画策定に活用できればという願いがあります。

 非日常的な環境、体験を経る事で個々の内面に起こった変化は、日常(家庭、学校)に相当の影響を与える事がこれまでの調査で明らかになっています。一方で、日常(家庭、学校)の活動、経験が個々の内面に及ぼす影響の方が大きい事もわかっています。今回の報告会&講演会は、非日常から日常へ、効果的にバトンタッチ、橋渡しをする大切な機会でもあります。

 報告書を手にした保護者の皆さんから「あーやっぱり…」、「えっ!そんな捉え方しているんだっ!」など様々な反応が見られました。この“自己意識調査”における数値、またその変化は、参加した子ども達の成績票ではありません。EECでは報告書の見方を含め、そこを直接説明できる機会が設定できない限り、報告書を保護者に提供することはしません。データだけが一人歩きし、着地点を見誤ってしまわないために、調査のデータは慎重に扱われます。

 講演会のテーマは “子育て” であったのですが、SHOSAPOさんやEECのような社会資源を家庭、学校が活用しながら社会全体で子ども達を育てましょう!というのが大まかなメッセージです。“子育て”というのは、保護者だけでなく、学校、地域、社会資源を包括する世界が繰り広げる壮大な体験学習です。どの時点で、どんな姿になっていれば “子育て” が成功したと評価できるのか?それは永遠に答えの出ない、答えの出せない問いであるような気がします。だからこそ、様々な機会を捉えて、子ども達にアプローチしているのだと思います。子育てマニュアル、子育て体験記などの情報が巷に溢れていますが、どこを探しても子育ての正解、正しい子育ての姿は見つからないと思います。

 常に自問自答しながら、時には社会資源と協力しながら子ども達を育てているのです。EECのように「体験学習」という看板を掲げている者は、目に見える行動、態度、様子からその背後、深部、内面にある気持ち、関係性などに目を向け、多角的に子どもを見ていること、その意味と重要性について、この視点を「氷山」に例えてお話させていただきました。海面に浮かんでいるように見える部分が、結果、行動、態度、様子…海の中に大きく、深くどんと構えている部分、その計り知れない部分が、海面部分にあたる結果、行動、態度、様子を規定しているのです。本人も、周りの人も注視し、推測し、対話しなければ見えてこない本質部分が重要です。子ども達が日々の経験、非日常での体験で、物事や自分自身、グループの行動などの “なぜ” に注視し、推測し、対話しなければ見えてこない部分に目を向け、そこから学んでいくように、保護者も子育てという壮大な体験で起こったことの “なぜ” を常に自分自身に問うこと、子どもに対して、なぜ?、あなたはどう思うの?どうしたいの?と問うことを繰り返し、お互いに成長していくプロセスが “子育て” なのだと思います。そのあたりの事がメッセージとして伝わっていれば幸いです。

この記事を書いた人

鈴木 浩之(Hiroyuki,SUZUKI)
有限会社エッセンシャルエデュケーションセンター Sales&Promotion担当マネージャー。
大学卒業後、世界的冒険教育機関であるOBSの指導者コースJALT受講、その後、OBSインストラクターへ。OEC、国立青少年教育振興機構、市議会議員等を経て現在に至る。1971年静岡県出身。

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