【学校教育支援】自分自身の言葉で語れるチカラ

 2月の第2週目、岐阜県のひるがの高原スキー場で、帝京大学可児小学校1,2年生の ”雪遊び” と、3年生の “スキー研修”、そして鷲ヶ岳スキー場で、4年生の ”スキー研修” が行われました。この ”雪遊び” と ”スキー研修” は、帝京大学可児小学校の『ぼうけん』という授業の一環で行われています。

 

帝京大学可児小・中・高等学校では、12年間を4−4−4の3つに分け、それぞれを人間力育成のステージと捉え、Stage1(小1〜小4)の「基礎形成期」には、自分自身の言葉で語れる力、Stage2(小5〜中2)の「自己探索期」には、在りたい自分を考える力、Stage3(中3〜高3)の「自己実現期」には、自己実現を図る力の育成をめざしておられます。

 EECは、Stage1で、思考力・判断力・表現力の基礎となる五感を刺激する体験、試行錯誤を求められる体験を、Stage2では、主体性・協働性・責任が求められる体験、自己内観できる体験を提供しています。小学校では、この “スキー研修”  の他、日帰りの山遊び、川遊びといった身体遊び体験やグループワーク、また学校で秘密基地を作って泊まったり、宿泊研修で沢登りやロッククライミング、カヌーなどをしたり『ぼうけん』の中で様々な体験を提供しています。

 EECブログ【学校教育支援】社会に通用するチカラ(’18.2.1)より

 

 今回は、Stage1「基礎形成期」にあたる小学1年生~4年生が対象でした。EECが提供する『ぼうけん』は、基礎形成期」において、自分自身の言葉で語れる力をつけるために、“自然の中や無構造な遊びの中でとことん遊び、五感を刺激すること”、“自分の気持ちを素直に相手に伝えること”、“子ども同士で順番を守るなどの社会性を身につけること” を意識してプログラムをデザインしています。また、指導に携わるスタッフは、人間力育成のStage、プログラムの意図を理解し、自身の関わり方、声のかけ方などにも細心の注意を払っています。

 


 1,2年生の ”雪遊び” で、EECは、五感を刺激するほんものの体験を提供することと同時に、子ども同士が関わる機会を創出しています。そこで子ども達に、協力・助け合いの中で自分の気持ちを表現すること、他者との違いを考えながら行動することを求めています。特に2年生には、1年生の時の ”雪遊び” の経験を生かし、1年生をリードしてみることも求めています。

 連日の大雪で、子どもたちの胸の辺りまで新雪があり、雪上の旗にたどり着く速さを競う “スノーフラッグ” 、仲間を乗せたソリを引っ張る “ソリレース” 、攻守に分かれて旗を取り合う “戦(いくさ)” など、どの ”雪遊び” でも、全身を使って雪の中を泳ぐように遊んでいる子ども達がたくましく見えました。自然の中で遊ぶことで五感を刺激することの必要性、また無構造な遊びを通して、社会性や創造性など人間力を身につけることの重要性は、これまで多くの場で提唱され、多くの人々が共感しているところです。しかし、日常生活では様々な制約が生じて、こうした状況が作られにくいのが現実ではないでしょうか?場所や時間的な制約の中で、子ども達が主体的に動き出すことや自分の気持ちを表現することをどこまで待てるか、どこまで子ども達にとって無構造な遊びの場を提供できるか…EECが、帝京大学可児小学校の『ぼうけん』など学校教育や社会教育を支援する意味がここにあると考えています。

 

  3,4年生の ”スキー研修” では、スキーという活動の特色(経験・練習を重ねることで、「これまでできなかったことができるようになる」=自身の成長を実感できる)を最大限に活かし、試行錯誤の中で自分なりに工夫して課題を克服することで、“自ら努力する力を育む” ことをめざしています。3年生には、この “スキー研修” がスキー初体験という子ども達が約半数いました。スキーの履き方、転び方、転んだ後の起き上がり方などを説明して、各々練習しました。ゲレンデでは、「説明されたこと」「わかっていること」を自分で実践できるかどうか?が問われます。しかし、子ども達を見ていると自分で実践できるかどうか?よりも、実践しようとしているかどうか?の方が重要であると感じます。スキーに限らず、日常でも、勉強や運動、友達との関係などで何かにつまずく、転ぶことは多々あると思います。そこで、自分で解決しようとしているか?それとも誰かの助けを待つだけか?の違いが、スキーという活動の中で見え隠れします。先回りして手助けしてしまう指導者、子どもの気持ちを推察して代弁してしまう大人に囲まれている子ども達にとっては、スキーが初体験であることと同時に、「説明されたこと」「わかっていること」を自分で実践すること、試行錯誤の中で自分なりに工夫して課題を克服すること、自分の気持ちを表現することが初体験なのです。

 子ども達が失敗する前に「転ばぬ先の杖」を与えることは実は容易で、子ども達に良かれと思って…という前提も実は大人のためなのかもしれません。「転ばぬ先の杖」を大人が用意しておくことも時には必要だと思いますが、転んだ時の起き上がり方を教え、起き上がることを見守り、支援し、自分で起き上がろうとする意志、自分で起き上がるチカラをつけることの方が、重要だと思います。「わかっている」ことを実践できるかどうか?実践しようとしているかどうか?を問われているのは、子ども達以上に我々指導者や大人であるのだと思います。

EECは、これからも学習者自身が体験から気づき、学び、活かすことを支援し、自分自身の言葉で語れる力、在りたい自分を考える力、自己実現を図る力の育成をめざします。『自分らしく 後悔無い人生のために』~ for Self Establishment ~

この記事を書いた人

鈴木 浩之(Hiroyuki,SUZUKI)
有限会社エッセンシャルエデュケーションセンター Sales&Promotion担当マネージャー。
大学卒業後、世界的冒険教育機関であるOBSの指導者コースJALT受講、その後、OBSインストラクターへ。OEC、国立青少年教育振興機構、市議会議員等を経て現在に至る。1971年静岡県出身。

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