それぞれの “今” を映す
2019.06.20
今春、中学校、高校、専門学校に入学した新入生を対象にしたオリエンテーションキャンプが終わりました。今春は、400名近い “新入生” とお会いしました。
これまで長いおつきあいのある学校には、入学時、キャンプ終了後に “自己意識調査” というものをとっていただいています。
この調査を作ったのは今から12年前、2007年(だったと記憶しています)。今回は、この “自己意識調査” について、ふりかえりつつ、少しだけ書きたいと思います。
どんな調査?
この自己意識調査、49の質問に対して、全く当てはまらない場合は1〜とてもよく当てはまる場合は5、という5段階で回答してもらっています。
この49の質問は、次の7つの項目に分かれます。
- 「精神的な安定、自立意識」
- 「自分を肯定的に受け入れている度合い」
- 「目標達成・自己実現の意欲」
- 「積極的な行動、粘り強さ」
- 「開放性と自己主張力」
- 「周囲との協調・調和意識」
- 「他者からの評価に対する関心」
少し前の話になりますが、5年間(2007年~2011年)の “自己意識調査” から、28グループ、815名の事前、事後のデータをまとめて分析をしたことがあります。その結果、「自分を肯定的に受け入れている度合い」と「目標達成・自己実現の意欲」の2つの項目について、キャンプの前と後で有意な差が認められました。ざっくり言うと、EECが提供しているプログラム、また指導(ファシリテート)が、「こんなところに効いた」ことになります。また、「自分を肯定的に受け入れている度合い」、いわゆる自己肯定感のような部分は、他の意識に比べると低く、「目標達成・自己実現の意欲」は高いことも見えてきました。
繰り返しになりますが、本当にざっくりです…念のため。
なぜそんな調査をするの?
EECは、一人ひとりが「自分」というものを持ったうえで集団を築かなければ、集団への同調だけが求められ、個々を生かした調和にはつながらないのでは…と考え “For Self Establishment” をキーワードに様々な活動を行っています。
これを “自己確立” と訳してしまうと少し堅苦しい印象がしますが、 “自己確立” のためには、こんな力が必要なんじゃない!? というものに分解してみると…次の3つくらいに集約されていくのではと思います。
自分づくりの力
- 自分自身を好きになれる
- 自分の意思、考えを持つ
- 自ら判断し、行動することを恐れない
人間関係の力
- 自分の意思、考えを伝えることができる
- 他人の状況を把握し、援助行動を取れる
- グループの意思決定、課題解決に参画できる
チャレンジする力
- 本気になって取り組める
- 耐えてやりぬく先の喜びを知る
- 未経験の事柄に積極的に取り組める
この調査、何に役立つ?
大学の先生に協力いただき、この調査を作ったのは2007年…。それより前、いろいろな調査を試したこともありました。それらは、キャンプ(合宿)での経験を経ることで、集団の平均値が上がったから効果あり、下がったから効果なしといった捉え方が主流だったと記憶しています。
しかし、これはあくまで “自己意識調査” 、それぞれが「今の自分って、どんな感じ?」ということを感覚的に答えているに過ぎません。まとめて、比較することで見えてくるものよりも、自分をどんな風に捉えているのか、キャンプの経験を経て、どんな風に変化したのか “それぞれ” 見ることにしています。
調査の結果には、それぞれの “今” が少なからず、反映しています。それぞれの “今” を見せてくれるこの自己意識調査は、自分自身でも見えにくい、わかりづらい “意識” を見える化することに役立っています。
この自己意識調査は、青少年層向けですが、久しぶりに、自分自身で49の質問に答えてみて、自分の “今” を覗いて見ようと思います。その結果を含めて、またどこかで書きたいと思います。
投稿者プロフィール
- Sales&Promotion担当マネージャー
大学卒業後、世界的冒険教育機関であるOBSの指導者コースJALT受講、その後、OBSインストラクターへ。
EECの前身であるOECに参画、国立青少年教育振興機構「中央青少年交流の家」、市議会議員を経て現在に至る。
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