新入社員は苦しんでいる?

 新型コロナウイルスの感染拡大による“緊急事態宣言”が出されたのは、半年前。そこから、様々な業種のたくさんの企業がテレワーク・リモートワークを進めてきました。いくつかの調査を見渡してみると、その実施率は、出社との併用を含めて、全体の25%前後だそうです。

 どうしてもテレワークが実現できない業種、業態もたくさんありますので、なんとも言えませんが、コロナウイルスによる強制的な働き方改革ともいえる、テレワーク、リモートワークについては、それほど進んでいないようです。

テレワーカーの苦悩

 テレワーク・リモートワークが、いろいろな場面で語られていますが、実施率は全体の1/4程度。言葉としては、定着しましたが、実現できるかというとなかなか厳しいようです。

 これまでの職場では、パワハラ、セクハラなどの “ハラスメント” が問題視されてきましたが、テレワーク・リモートワークが実現すれば、救われる層も一定程度いると思います。一方で、テレワーク・リモートワークでは、新たにテレワークハラスメント(テレハラ)・リモートハラスメント(リモハラ)という、新しい “ハラスメント” が出てきているようです。

 これまでの組織、仕事の仕組みから、頑張っている姿、努力している姿を評価者も被評価者も重要視してきている場合、それが見えない(見せられない)事によって、「サボっていないか?」「サボっていると見られていないか?」という不安から、過度に監視する、監視されることに繋がっていきます。

 また、プライベート空間が “職場” とつながること(どこにいるのか監視されること)で、心理的な窮屈さを感じるということもあるでしょう。無意識にプライベートに踏み込んでしまい、それがハラスメントに発展する危険性もあります。

テレワーカーの不安

 パーソル総合研究所が「テレワークの浸透に伴う不安感や孤独感の実態及び解消法」を探ることを目的に実施した調査結果というものが公表されました。

 そこでは、テレワーカーと出社者が混在する「まだらテレワーク」が話題(問題?)になっています。「まだらテレワーク」の職場では、テレワーカーが少数派になることで周囲の目が気になって心理的なプレッシャーが増すという、新たな問題です。

 その調査では、テレワーカー本人が抱いている不安の1位は「相手の気持ちが察しにくい」で39.5%、2位は「仕事をさぼっていると思われないか」で38.4%となっています。

 そして、職場におけるテレワーカーの比率が2~3割のときに、テレワーカーの不安感や孤独感がピークとなっています。

新入社員だったら…

 前述のテレワークハラスメント(テレハラ)・リモートハラスメント(リモハラ)、まだらテレワークにまつわる不安などなど、これが新入社員だったら…どうでしょう?

 入社して、同期入社のメンバーの顔を知らない、上司・先輩とも直接会ったことがないという状況だったら、どんな心理状態になるでしょうか?

 私があるWebセミナーで知り合った新入社員の方は、意外と、あっけらかんと「まだ出社していないんですよね〜ずっと在宅ワークです!」と言っていました。もしかしたら、物心ついたときからインターネットに触れているデジタルネイティブ世代の当事者達は、意外とあっけらかんとしているのかもしれませんが…。

 会社に対する帰属意識は希薄にならざるを得ない、同期意識も芽生えない(切磋琢磨、良い意味での競争、ライバル意識などなど)、相談する(時として愚痴ったりする)相手がいない、他の同期の様子が過度に気になる(取り残されているのでは?という不安)。想像ですが、とても仕事に集中できる状況ではないように思います。 

テレワーク/リモートワークで必要なこと

 弊社は、基本的に在宅ワークです。オフィスワーカーである私の場合、月の7割〜8割は、自宅で仕事をしています。コロナウイルスでその比率が高まったわけですが、特にテレワーク・リモートワークの不安、苦悩と言ったものは感じずにここまで来ています。

 しかし、それは私の特性(弊社では、エマジェネティックス®やクリフトンストレングス®によて、自分の “特性” を知る、活かす取り組みをしています)によるところが大きく、違う特性の人にとっては前述の不安や苦悩があると思われます。

 先日、弊社のミーティング(オフライン)で、仕事中の「余白」が話題になりました。ちょっとした休憩時間、移動時間、出社から業務開始までのアイドリング時間、終業後のクルーダウンの時間などなど、「余白」は学びの場であったという告白?訴え?です。

 これまで「余白」の重要性には、気づいてはいました。Web会議では、話が終われば、ズバっと切れる、切られることに対する違和感がなかったわけではありません。その違和感は「余白」と、もう一つ「余韻」がないことによるところが大きいと思います。

 その「余白」や「余韻」は、人(その人の特性)によっては学び・成長の貴重な時間であったというのは、新しい発見でした。

 テレワーク・リモートワークでは、「余白」や「余韻」をこれまで以上に意識して、そこも含めて仕事、職場をデザインしていかなければならないように思います。面と向かって、リアルな場を共有することで自然と生み出されていた「余白」や「余韻」。その意味、重要性、機能をオンラインで再現することは、テレワーク・リモートワークを導入している企業の最重要課題なのかもしれません。

この記事を書いた人

鈴木 浩之(Hiroyuki,SUZUKI)
有限会社エッセンシャルエデュケーションセンター Sales&Promotion担当マネージャー。
大学卒業後、世界的冒険教育機関であるOBSの指導者コースJALT受講、その後、OBSインストラクターへ。OEC、国立青少年教育振興機構、市議会議員等を経て現在に至る。1971年静岡県出身。

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