【副島説 ①】 “自分” という オリジナリティ

 「人と違うことは、嫌ですか?」そんな疑問が頭に浮かぶことが多かった9月。小学1年生から高校1年生までの幅広い世代の方々と研修で関わりました。その中で、一人で行動できない(しない)、人と違う意見を言い出せない(言い出さない)、人と違うことをネガティブに捉えている…そんな印象を受けました。今回のブログは “そこ” について書きます。

そもそも “わたし” がない!? 

 幅広い世代の方々と関わる経験からすると、歳を重ね、成長するに従って、「私はこう思う」ということを言わなくなるといった印象があります。小学校低学年までは、しきりに「私はこう思う」といったことを言っている気がするのですが…。

 さらに、中高生の様子を見ていると、「こう思う」、「こうしたい」という意思や欲というものをあまり感じません。言わない、言えないのではなく、言う事がない?そもそも “自分” というものがない?とも思えてきます。

 自分軸がないから、側から見ると他人に流されている様に見えるし、物足りなさも感じます。「本当にそれでいいの?」そんな言葉が頭をよぎる事が多いです。

 そして、自分軸がないから他者からどう見られるか、どう思われるかを気にしているし、他者からの評価がないと自分を捉える事ができないように思います。「自分としてはOK!」、「自分的には納得」といった感じには中々ならないのが現実の様です。

中高生のランキング  

 一方で、中高生が思い描く将来についての調査2019(ソニー生命保険)の『将来なりたい職業ランキング』では、2017年と比べて急上昇している職業が『YouTuber』です。まさに “自分” という個性を売りにしている様な気がするのですが、前述した彼らからは想像がつきません。

 この章のはじめに「一方で…」と書き始めましたが、矛盾だけではなく、納得いく事もあります。それは、『こんな生き方をしたいと思うアニメキャラクターランキング』です。

 1位は、「モンキー・D・ルフィ(ONE PIECE)」。その理由は、「自由に生きているから」だそうです。都合の良い解釈かも知れませんが、今関わっている方々を見ていると、今の自分と比較して、自分にないもの・欲しいけど手に入れられていないものへ無意識に憧れているのではないのでしょうか?そう考えると、『YouTuber』も納得です。

周りの大人ができること

 そんな現状を踏まえ、周りの大人は何ができるのでしょうか?私は大人に助けや意見を求める子に対して、「あなたは、どうしたいの?」と聞き返す様にしています。

 あとは色んな状況を踏まえ臨機応変に(⇦ここ大事!)、命に関わる事や心の傷にならない事に注意して見守っています。

 最近は、よくこんな言葉、表現が耳に残ります。それは、参加者の活動の様子や取り組んでいる姿などについて大人が話す時にでる「〜してくれた」です。

 例えば「よく頑張ってくれた」、「話してくれた」、「よくやってくれた」などなど。おそらく、そう言っている大人は無意識、無自覚、何の意図もないのだと思いますが、それを聞いている人(私や参加者)は、「あなたのために、やっていませんけど?」と感じます。

 そんな言葉一つひとつが相手へ影響し、他者を気にして(大人に褒められたい、怒られない様に)自分軸ではなく、忖度した行動へと繋がっている様に思います。

 周りの大人は、まず自分が発する言葉や行動が相手(特に子ども)に与える影響を意識する事が周りの大人がまず『できる事』なのではないでしょうか?

 そうする事で、良い意味で「自分は自分」と認識し、“自分”というオリジナリティを発揮していけるのではないかと思います。

この記事を書いた人

副島理恵子(Rieko,SOEJIMA)
有限会社エッセンシャルエデュケーションセンター EE事業部ディレクター。長崎純心大学在学中は、社会福祉の分野を専攻しながら、野外教育の指導ボランティアを経験。大学卒業後、本格的に野外教育の世界へ。1989年長崎県出身。

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