企業研修を支える『EEモデル』とは?vol.1
ー氷山モデルで学ぶ非認知領域の重要性ー

2025.07.01

お知らせ

直近の記事では「停滞感を乗り越えよう!」シリーズをお送りしてきました。今回は、エッセンシャルエデュケーションセンター(以下、EEC)が提供する企業研修プログラムの土台となっている『エッセンシャルエデュケーションモデル(EEモデル)』について改めてご紹介します。

本記事では、EEモデルの概要やその背景にある「氷山のイメージ」、さらに認知領域と非認知領域の概念を分かりやすく解説します。

EEモデルについては、vol.2として「氷山が表すもの」、vol.3として「成長のスパイラル」とシリーズ化して詳しく解説しています。今回はvol.1として、EEモデルの全体像に迫ります。

EEモデルで学ぶ非認知領域の重要性

企業と人の成長を支える「人間そのもの」の理解

現代の企業経営において、人材育成や組織開発は不可欠な要素となっています。目まぐるしく変化するビジネス環境で持続的な成長を遂げるためには、個人のスキルや知識だけでなく、「人そのもの」に対する深い理解が求められています。

EECが企業研修の基盤として掲げる『エッセンシャルエデュケーションモデル(EEモデル)』は、まさにこの「人間そのもの」を捉え、その可能性を最大限に引き出すためのフレームワークです。

EEモデルとは?~企業研修の土台となるフレームワーク~

EEモデルは、「人間そのもの」を表現しており、私たちが日常的に行っている行動や活動を2つの領域と4つのステージに分けて捉えています。

その独自性を象徴するのが「氷山のイメージ」です。このイメージを用いることで、行動や結果といった目に見える部分だけでなく、人間の内面に潜む目に見えない部分にも焦点を当てます。

なぜ「氷山」がEEモデルの象徴なのか?

氷山といえば、海に浮かぶ巨大な氷の塊を指します。その特徴は、海面上に出ている部分が全体のわずか10%程度で、90%以上が水面下に隠れているという点です。

この性質を人間に当てはめて考えると、目に見える「行動」や「成果」は氷山の一角にすぎず、それを支える内面的な要素こそが多くを占めており、重要な要素であると言えるでしょう。

EEモデルは、この「氷山」の特性をヒントに、人間を「認知領域」と「非認知領域」という2つの側面から捉えます。

認知領域と非認知領域の違い

認知領域とは?

認知領域とは、私たちの行動や言動、表情、態度、そしてそれらの結果として現れる成績や成果など、「目に見える部分」を指します。

例えば、会議での発言内容や、業績や売上目標などがこれに該当します。これは、日常的に注目されやすく、評価の対象となりやすい側面をもっています。

非認知領域とは?

一方、非認知領域は「目に見えない部分」であり、認知領域と密接に関連しながらも、その背景にある「思考、感情、意図、価値観、行動の理由や目的」といった内面的な要素を含みます。この領域は当人にしか分からない部分でありながら、人の行動を深く理解し、本質的な変化を促す上で非常に重要な部分です。

例えば、グループでの会話に参加していない人がいたとしましょう。この場合、認知領域では「会話に参加していない」という行動が観察されますが、非認知領域では「なぜ参加しないのか」「どんな感情を抱いているのか」という背景に焦点が当たります。

EEモデルは、このように人の行動を「目に見える部分」「目に見えない部分」に切り分けて捉えようとする行為を支える共通言語となり得ます。

【次回予告】vo.2ではEEモデルの4つのステージを徹底解説!

EEモデルは、企業研修だけでなく、システム思考の「氷山モデル」や組織開発、グループダイナミクスの文脈でも応用できる概念です。vol.2では、認知領域と非認知領域の詳細に触れながら、「4つのステージ」について解説していきます。ぜひご一読ください!

※“氷山のイメージ” は、システム思考(参考:『世界はシステムで動く ― いま起きていることの本質をつかむ考え方』)の「氷山モデル」や、体験学習・組織開発・グループダイナミクスの文脈の中で「プロセス」という概念の説明(参考:『組織開発の探究 理論に学び、実践に活かす』)にもよく用いられており、『EEモデル』の参考にもなっています。

投稿者プロフィール

土田陽介
土田陽介
Sales&Promotion担当

大学卒業後、英語教師として自身の出身高校へ就職。その後、小学校へ異動し13年間小学校の教師を務める。勤務先の小学校でEECと出会い、一緒に子どもたちの成長に携わる。2025年5月よりEECへ。

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